水晶岳 登山記  

 

i井上二郎(学部20回)、 井上幸三(学部21回)

 
 

 水晶岳は北アルプスを囲む町々、松本・富山・高山そして有峰からさえもその山頂を眺めることが出来ないと云われています。つまり北アルプス最奥に聳えている山です。北アルプスの主な山はほゞその頂きを踏んだ私ですが、この山は登り損ねた山で、いつの日か山頂に立ちたいと思っておりました。そこで今回のアニュアルキャンプを利用して、弟である幸三君(G21)と登ることになりました。風雨の中での厳しい登山であり、山頂からは何も見えない登山でしたが、永年の夢がかなって満足感は一杯でした。

9 月 15 日

神戸を出発。奥飛騨ヒュッテに宿泊。
9 月 16 日

4 : 00 前に起床し、 4 : 40 出発。わさび平小屋 5 : 45 通過。シシウドケ原には 8 : 10 着。

 
 
シシウドケ原
  順調に高度を稼ぎ、鏡平小屋 9 : 00 着でした。天気は高曇りで風は無く鏡平池には逆槍が見事に映されていました。
 
 
左から北穂高・涸沢岳・奥穂高・西穂高・手前は中崎尾根奥丸山
 
 
鏡平池
 

大休止の後、双六小屋には 12 : 05 着。

 
 
中央は鷲羽岳 その左奥が水晶岳 手前が双六小屋
 
 
槍ヶ岳 北鎌尾根
 

秋の連休前しかも悪天候の予想のためか小屋はよく空いておりました。

9 月 17 日

朝食は弁当にしてもらい、双六小屋を 4 : 50 出発しました。

 
 
薬師岳
 

 

黒部源流を囲む山々 左から 祖父岳・水晶岳・ワリモ岳・鷲羽岳
 

6 : 30 から風雨強くなり何も見えず。三俣山荘には 7 : 20 着。雨をしのげる場所を見つけ、朝食を摂る。

 

 もっと若ければ当然鷲羽岳経由のコースをとるだろうが、二人とも 47 年前に登頂済みなので、黒部源流コース(巻道)をたどる。風の強い岩苔乗越に着いたのは 9 ; 25 だった。
 風にあおられながら水晶小屋 10 : 30 着。チェクインを済ませ、昼食を摂って 11 : 05 小屋発。 11 : 35 念願の水晶岳ピークに立つことが出来ました。 ピークで今回の山行に何度かお会いした福山の方と出会い写真を撮ってもらう。

 
 
水晶岳ピーク
 

 15 分後ピークを発って、水晶小屋 12 : 10 着。風雨は益々悪化しており、登山客は私達だけで、今夜の泊は 2 名のみ。スタッフの方は「このシーズン 2 名だけの客は初めてです。」とぼやいていました。

9 月 18 日

 小屋でのんびりと朝食を摂り、 6 : 05 小屋発。三俣山荘 8 : 10 .双六小屋 10 : 55 。ここで 16 日に食べたラーメン 900 円也が美味しかったので今日も食べました。

  風は多少はおさまったが、相変わらず雨の中をひたすら新穂高に向かって下山する。弓折乗越 12 : 40 、鏡平小屋 13 : 15 着。ここで弟は「もっと山をゆっくり楽しみたいので、私はここで泊まりたい。」と云うことで、私も泊まろうかなと思ったが、明日のそば用の出汁造りのため、予定通り一人で下ることにしました。思い足ではあったが結構快調に飛ばし、奥飛騨ヒュッテに着いたのは 16 : 05 でした。 本日の行動は 12 時間を覚悟していたが、10 時間で終えることが出来、しかも足も痛くならずまだまだ丈夫な身体に感謝の登山であった。

 

 

稜線山岳会(神戸商科大学山岳部OB会)、兵庫県立大学山岳部
 
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