20年間の暦年登山を振り返る

神戸商科大学山岳部 OB 稜線山岳会は、 1969 年ネパ−ルヒマラヤのカンデ・ヒュンチュリ遠征、 1974 年インドヒマラヤ遠征でテントピ−ク初登頂をなし、 1976 年第 1 回シルクロード踏査を行う。さらに 1990 年「シルクロード走破隊パートU」を寺本滉先輩(学 9 )が委員長として実施されたが、そのとき副委員長として参加した。その後、神戸商大山岳部の現役学生がいなくなり残念ながら海外遠征が実施出来なくなる。それで寺本さんの「 60 歳を超えても毎年続けられるイベントとして暦年登山をやろう」という提案で始める。暦年登山の証しとして、秋の紅葉シーズンに翌年の年賀状に相応しい写真を入念に撮ることを第一の目的とし、第二は秘湯めぐりに決める。  

藤本三樹雄(G10)

 

1997 年
栃木県足尾町・鋸山(1998m )

10 月 24 日、東武日光駅からタクシ−で足尾町銀山平かじか荘へ、徒歩 2 時間 30 分で庚申山荘泊。
25 日、庚申山荘から 1 時間で庚申山、 2 時間 30 分で鋸山。好天に恵まれ全山紅葉に燃える。目前の皇海山を眺めるだけで下山を開始、六林班峠を経て 3 時間 10 分で庚申山荘、 2 時間でかじか荘に到着。 26 日、足尾銅山を観光して渡良瀬鉄道に乗車し、神戸駅(ごうど)を通って桐生に出て帰神。

 
 
 

1998 年
長野、群馬県境・破風岳(1999m )

11 月 1 日、マイカ−で長野県高山村七味温泉「渓山亭」へ。 2 日、車道から 30 分で登頂。横手山、白根山を登って草津温泉「草津ホテル」に投宿。 3 日、志賀高原から安房トンネルを通り、高野聖由縁の天生峠、白山ス−パ−林道を越えて福井から北陸自動車道に入り帰神。

 
   
 
寺本滉(学部9回)藤本三樹雄(学部10回)、藤田精三(学部9回)
 
   
 
藤本三樹雄(学部10回)、藤田精三(学部9回)
 
1999 年
静岡、山梨県境大谷嶺・行田山( 2000m )

12 月 13 日、静岡県梅ヶ島温泉から扇の要、新窪乗越を経て 2 時間 30 分で登頂。頂上には山梨県早川町によって 21 新世紀記念碑が新設されていた。下山後、山梨県下部温泉泊。 (関連投稿)

 
   
 
藤田精三(学部9回)、寺本滉(学部9回)、藤本三樹雄(学部10回)
 
   
   

2000 年,2001年
長野、群馬県境・湯丸山 2101m )

2000 年、 2001 年の山が見つからないので、 21 世紀の語呂合わせで長野、群馬県境の湯の丸山( 2101m )に決める。
11 月 24 日、鹿沢温泉「紅葉館」から冬のスキ−場を登る。下山後、軽井沢のエキシブに泊る。神戸商大奥飛騨ヒュッテに立寄り帰神。寺本滉先輩はその後、膝を痛めたため最後の山行となる。

 
   
   
 
寺本滉(学部9回)、藤田精三(学部9回)、藤本三樹雄(学部10回)
 

2002 年
新潟県・越後駒ヶ岳(2003m )

10 月 4 日、北魚沼郡湯之谷村「駒の湯山荘」泊。 5 日、枝折峠から登山開始、明神峠を紅葉を楽しみながら登り、駒の小屋を経て予定通り 5 時間で登頂。 4 時間で枝折峠に下山し、マイカ−で栃尾又温泉「自在館」に移動。低温の温泉に浸かり、参加者五人で地酒の八海山二升を堪能する。

 
 
 
   
 
福井清久(学部22回)、岡井廣吉(学部22回)、 八木正博 さん(岡井同僚)、藤本三樹雄(学部10回)、井上二郎(学部20回)
 
2003 年
埼玉、山梨県境の燕山( 2004m )。東京の水源、笠取山の近く。

10 月 11 日、山梨県広瀬ダム・西沢渓谷入口「東沢山荘」に到着して 2 時間かけて西沢渓谷滝巡り。 12 日、広瀬から登山開始、 1 時間 30 分で亀田林道が終わり、 45 分で雁峠、 30 分で燕山山頂到着 2 時間 30 分で下山。時間に余裕があるので車で上日川峠へ移動して、 1 時間 30 分で大菩薩嶺に登り、大菩薩峠を経て下山。裂石温泉「雲峰荘」に投宿。

 
   
2004 年
山形県・鳥海山文殊岳( 2005m )

9 月 18 日、マイカ−で山形県酒田を経て吹浦から国民宿舎「太平山荘」へ。 19 日、小雨の下、鉾立登山口を出発して 2 時間で御浜小屋に到着。雨が強くなってきたので中止するかどうか 1 時間待機する。決行ときめて出発、 1 時間で七五三掛に着く。ここから雨がミゾレに変わったが 40 分がんばって登り、吹雪の文殊岳頂上に到着。鳥海山の頂上行はあきらめて下山を開始し、湯野浜温泉「一久」へ、下界は晴れていたので露天風呂から夕陽を楽しむ。

 
   
 
伊藤正俊(学部10回)、岡井廣吉(学部22回)、藤本三樹雄(学部10回)
 
 
 

2005 年
長野県の茶臼岳( 2006m )

10 月 22 日、美ヶ原高原の一角、山行時間は 3 時間。蓼科アネックス泊。 23 日、諏訪大社を参拝。

 
   
 
伊藤正俊(学部10回)、岡井廣吉(学部22回)、藤本三樹雄(学部10回)
 

2006 年
長野、群馬県境・黒湯山( 2007m )

10 月 13 日、高山村七味温泉「渓山亭」に二度目の投宿。 14 日、志賀高原万座峠を過ぎて次の峠らしき所に駐車。 1 時間で頂に着き、下山後戸隠神社を参拝し、ハ−ベストクラブ斑尾高原温泉へ移動。 15 日、沼の原湿原を散策。

 
   
 
伊藤正俊(学部10回)、藤本三樹雄(学部10回)、岡井廣吉(学部22回)、樽井久益(学部28回)
 

2009 年
栃木県日光市霧降高原・赤薙山( 2010m )

10 月 16 日、大江戸温泉物語「日光霧降」。 17 日、第一駐車場からキスケ平を経て 3 時間で頂上へ、 山頂にある赤薙山神社に参拝して下山。 (会員投稿)

 
   

2010年、翌年が平成23年のため霞沢岳ジャンクションピ−ク近くの2300m地点

10 月 17 日、長野県松本市島々宿の古民家に泊る。
18 日、島々から 8 時間 15 分で徳本峠小屋前にテントを設営する。 19 日、霞沢岳ジャンクションピーク近くの 2300m 地点から穂高連峰の朝焼けを撮る。 4 時間で上高地に下山して、島々から岐阜県高山市新穂高の神戸商大奥飛騨ヒュッテに移動。神戸商大山岳部 OB会稜線山岳会アニュアルキャンプに参加。 (会員投稿

 
   
 
橋本信彦(学部35回)、、藤本三樹雄(学部10回)、岡井廣吉(学部22回)
 

2011 年
埼玉、山梨県境の竜喰山( 2012m )

2012 年は辰(竜)年にもあたるので、埼玉、山梨県境の竜喰山( 2012m )
10 月 28 日、大菩薩ラインの柳沢峠を経由して一ノ瀬林道に入り三ノ瀬の民宿「みはらし」に泊る。
29 日、快晴無風の下、登山を開始して 30 分で牛王院下に到着。七ツ石尾根に取り付き、牛王院平を経て 1 時間 30 分で将監峠着。ここからは竜喰山への登りは標識がなく、熊笹のかすかな踏み跡をたよりに苦しい登り。 30 分後 1883m ピ−クに着く、ここからは 8 月に孫と登った富士山が遮るものなく素晴らしい展望であった。 50 分で頂上に到着。下山後、裂石温泉「雲峰荘」に泊る。 (会員投稿)

 
   
  花田岳史(学部24回)、樽井久益(学部28回)、岡井廣吉(学部22回)、藤本三樹雄(学部10回)、伊藤正俊(学部10回)、井上二郎(学部20回)  

2012 年
静岡、山梨県境の大谷嶺の尾根続きにある山伏岳( 2013m )

9 月 14 日、大井川鉄道千頭駅でタイミングよく SL を観て、井川線の接岨峡温泉駅前の森林露天風呂に浸り、井川のロッジ「有夢」に泊る。 15 日、牛首峠に駐車して AM7 ; 30 分登山開始、梅ヶ島からのル−トである西日影沢出会 9 ; 50 、山伏頂上 10 ; 05 着。 11 ; 10 下山開始、猪ノ段下に林道への分岐点があり 12 ; 10 林道に出る、登りで苦労した奥笹山をまくように林道を歩く。楽だと思いきや、林道が昨年の台風で 20m 崩壊しており通行止め。工事の縄梯子を下って牛首峠駐車場に 12 ; 50 到着。昨年の台風の影響で、林道がいたる所で崩壊していて、静岡・山梨県境越えの林道はすべて通行止めであった。身延山の久遠寺を拝観して富士川町十谷の「山の湯」に投宿。 16 日、平湯を経由して奥飛騨神戸商大ヒュッテに到着し、稜線山岳会のアニュアルキャンプに参加。 (会員投稿)

 
 
 
  、岡井廣吉(学部22回)、藤本三樹雄(学部10回)、伊藤正俊(学部10回    

2013 年
山梨県甲州市(旧塩山市)と大月市にまたがる大菩薩連峰第 2 の高峰小金沢山( 2014m )
秀麗富嶽十二景二番の山頂に選ばれている。

11 月 2 日、裂石温泉「雲峰荘」泊。 11 月 3 日、午前 6:40 に雲峰荘で用意してもらったおにぎりを 3 個持ってマイカーで出発。赤色は少ないが黄色い紅葉真盛りの道路を、カーブを切りながら登り約 20 分で上日川峠のロッヂ長兵衛( 1600m )前の駐車場に到着。 AM7:05 に石丸峠へ登山を開始。しばらく下って行くと、県道小屋平に出る。ここから熊沢山の南を巻いて急坂を上ると、唐松林の間から傘をかぶっているが冠雪した富士山が目の前に現れて大感激。ミヤコザサをよこぎって AM8:45 に石丸峠へ到着。小休憩の後、 AM9:00 出発。ミヤコザサが茂る狼平を通り、シラベの樹林を登り切り、小金沢山( 2014m )山頂に予定より 10 分遅れて AM10:15 到着。快晴ではないが薄曇りながら展望は良く、富士山をバックに年賀状の写真撮影を入念に行なう。展望は良く南に富士山、西に南アルプス連峰、北に雲取山、東に丹沢山地の山々です。 AM11:00 に下山を開始し、 PM0:50 大菩薩峠着。 40 分後 PM1:;30 に下山を始め、 PM2:35 上日川峠に到着。マイカ−を走らせて雲峰荘に到着。 (会員投稿)

 
   
 

井上二郎(学部20回)、藤本三樹雄(学部10回)、、岡井廣吉(学部22回)

 
   
 
藤本三樹雄(学部10回)、、岡井廣吉(学部22回)、井上二郎(学部20回)、樽井久益(学部28回)、奈良修(学部31回)
 
   
 
樽井久益(学部28回)、井上二郎(学部20回)、岡井廣吉(学部22回)、藤本三樹雄(学部10回)
 
   
 
井上二郎(学部20回)、奈良修(学部31回)、岡井廣吉(学部22回)藤本三樹雄(学部10回)、中平和伸(学部29回)
 
2014年
暦年の山の代わりとして日本最北端の利尻山( 1721m )、大雪山旭日岳( 2290m )

7 月 10 日、 10 歳以上も若い 7 名の後輩に誘われて参加。台風 8 号が九州に上陸し天気は曇りがちでよくないが、 3 合目北麓野営場( 210m )を AM4 ; 10 靴を洗い出発。長官山の先に建つ 8 , 5 合目避難小屋 8 ; 10 着。雨が少し前からふりだしたので雨具を着ける。雨が強くなり 9 合目から火山灰と岩礫のガレ地で足元がすべり下りが心配。沓形分岐 10 ; 00 、雨とガスで視界はゼロに近く、利尻山頂に 10 ; 40 到着。 10 ; 50 早々に下山を開始して、 7 合目 PM1 ; 40 、ようやく雨が止んだが数年前にいためた膝痛が再発し、予定より 2 時間 30 分遅く 5 ; 30 に下山を終える。 13 日、旭岳ロ−プウェイの姿見駅から旭岳へ登る。 (会員投稿)

 
   
  学部20回井上二郎、学部10回藤本三樹雄、学部21回井上幸三、岡井恵美子夫人、学部22回岡井廣吉、花田良子夫人、学部22回福井清久、学部24回花田岳史  
   
 
学部10回藤本三樹雄、学部20回井上二郎、学部21回井上幸三
 
2015年
昨年の日本最北端の利尻山に対比して、沖縄県石垣島の日本最南端の於茂登岳( 525m )

3 月 16 日、石垣島のホテルからタクシ−で於茂登岳登山口に PM1;50 到着。運転手に「石垣島はハブが多く、温暖で年中活動しているので気をつけて下さい。枯れ木の下に潜んでいることが多いので、不用意に枯れ木をまたがないように。」と脅かされて登り始める。沢沿いにヤシの大木とか大きな株のシダ植物があり、 30 度近い高温と湿気に大汗をかきながら登る。展望が開けるとブル−のサンゴ礁を遠くに望むことができた。 3 ; 15 電波塔のある山頂着。山頂付近はリュウキュウチクがしげるが展望は良く、太平洋と東シナ海が美しい。 30 分後下山開始、 5 ; 15 登山口に下る。 (会員投稿)そして、那覇に戻り、馴染みの店で山羊の刺身を肴に泡盛をたらふく飲んで帰りました。

 
   
 
学部10回藤本三樹雄、学部20回井上二郎
 
   
2016 年
東京都の最高峰雲取山( 2017m )

10 月 27 日、関西から今年も参加してくれた井上二郎(学 20 )と共に新幹線で東京へ向かう。
28 日、今回の山行を企画してくれた稜線山岳会東京支部の岡井廣吉(学 22 )と JR 新宿駅で AM10 ; 37 に合流し、三人で JR 奥多摩駅へ。 AM12 ; 25 西東京バスで「お祭」へ向かう。途中から小雨が降り出し、 PM1 ; 10 お祭( 650m )を雨具を着けて後山林道を歩く。林道終点青岩谷橋 PM3 ; 40 、急坂を上り PM4 ; 30 三条の湯( 1200m )に到着し、湯船に入り冷えを癒やす。雨は夜半に止み満天の星空に変わる。 29 日、 AM6 ; 10 出発、水無尾根唯一の水場に AM8 ; 10 .ブナの大木や楓の紅葉が美しい。三条ダルミに AM9 ; 10 着くと、富士山が雲間から顔をだしていた。 AM10 ; 15 雲取山山頂に到着。当日、関東から参加してくれた樽井久益(学 28 )、奈良修(学 31 )二人が七ツ石山ル−トから登ってきて、 10 分後に山頂で合流。 2017 年の暦年の山を記念して新しく建立された立派な石碑の前で五人で富士山をバックに記念写真。 AM11 ; 30 下山開始、奥多摩小屋 AM12 ; 30 、七ツ石小屋 PM1 : 30 、ここから膝の疲れから歩行が遅くなり予定より 30 分遅れで鴨沢村営駐車場に PM4 ; 05 到着。 2 台の車で暦年登山で四度目の山梨県裂石温泉「雲峰荘」へ向かい PM5;00 到着。

「雲峰荘」では、私の傘寿の登山の祝いのために東京から駆けつけてくれた花田岳史(学 24 )、稜線山岳会東京支部長の田中成和(学 28 )と橋本信彦(学 35 )三人に出迎えられる。入浴の後、宴会で七人から傘寿での暦年登山完結の祝福を受けて感涙した。 20 年間も暦年登山を続けられたのは、今回参加してくれた後輩はもちろん、暦年登山を呼び掛けてくれた寺本滉故人をはじめ、藤田精三(学 9 )先輩、同期の伊藤正俊(学 10 )、利尻山の下りでよろける身体を支えてくれた福井清久(学 22 )や、暦年登山の参加者をいつも取りまとめてくれた中平和伸会長(学 29 )等、参加してくれた人数は延べ 75 名。山岳部の年齢差 26 歳の先輩後輩に感謝です。 ( 敬称略 ) (会員投稿)

 
   
  花田岳史(学部24回)、奈良修(学部31回)、岡井廣吉(学部22回)、橋本信彦(学部35回)、藤本三樹雄(学部10回)、田中成和(学部28回)、井上二郎(学部20回)、樽井久益(学部28回)  
   
   
  奈良修(学部31回)、花田岳史(学部24回)、岡井廣吉(学部22回)、藤本三樹雄(学部10回)、井上二郎(学部20回)、田中成和(学部28回)、樽井久益(学部28回) 、橋本信彦(学部35回)  
  還暦から傘寿まで暦年の山登りきる    
     
     
稜線山岳会(神戸商科大学山岳部OB会)、兵庫県立大学山岳部
 
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